色よし、味よし、香りよし・・・宇治茶「みやび」

色よし、味よし、香りよし・・・宇治茶「みやび」

静岡はやぶきた、鹿児島はゆたかみどりといったように代 表的な品種の煎茶だけを栽培する生産家がほとんどです が、宇治は違います。同じ農家が、煎茶も、玉露も、その 間のかぶせ茶、抹茶の原料となるてん茶まで手がけること が珍しくない。

歴史と伝統に支えられた栽培技術がそうさせたのか、静 岡、鹿児島で主力の共同茶工場といって、複数の農家が育 てたお茶をいっしょにして大量に加工する施設が活用され ず、今もって自製自園。つまり、自分で育てたお茶を自分 で加工する。

だから一度に新茶が芽吹いてしまうと、茶摘 みが追いつかない。それで生育する時期が少しずつズレる ように複数の茶種を育てる。そういう事情もあります。

 ところで私どもの宇治茶「みやび」は、修学旅行のお土産などにもらういわゆる宇治茶とはだいぶ違っ ています。典型的な宇治茶は、粉のない黒々とした形状の茶葉で、お湯に溶け出した茶液の色は、どち らかというと山吹色。繊細な香りと淡泊な味わいが特徴です。

この特徴は、宇治に限らず(静岡の本山 や川根など)、標高の高いところで育つお茶に共通します。 あえていうと紅茶ならインドのダージリン、スリランカのヌワラエリアのようなイメージ。それはそれ でとても魅力的でファンも多い。

けれど、淹れ方に若干の注意が必要です。お湯を冷まし、冷ましたお 湯を急須に注いだら、少なくとも1分は茶葉が開くのを待たないといけない。そうすればこういったお 茶が持つおいしさを満喫できます。

ですが、湯冷ましなんかしないで熱湯を注ぎ、ろくに待たないで、 茶碗に注げばどうなるか。きっと、渋くて苦い味になってしまう。 でも、日本で一番普及している静岡の牧之原で採れたお茶を蒸し時間を長くした深蒸し茶。

このお茶に ほとんどの人が慣れてしまっている関東、東北では、そんなちょっとしたひと手間をかけてもらうのは 難しいだろう。そんな仮説から、試行錯誤を繰り返して商品化したのが「みやび」です。

鮮やかなグリーンの水色は、宇治茶の中では蒸しの深いお茶を選んでいるから。あまみがあって、山の お茶特有のきつさがないのは、マイルドなかぶせ茶をブレンドしているから。

そして引き立つスイート な香りは最後の乾燥過程を工夫しているからです。とにかく、香りもあって、色もよくて、まろやかな飲み口。弟分の「宇治」よりは、女性的なやわらかな味が感じられると思います。