おいしい有明海苔はどのように作られるのか?

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おいしい有明海苔はどのように作られるのか?

有明海苔のおいしさの理由

 有明海における海苔生産の歴史概略

海苔が私たちの食卓に登場したのはずいぶん昔のことのように思われますが、実は養殖によって大量生産が可能になったのは1950年代だそうです。それまでは、海苔の成長過程がよくわかっていなかったことに加えて、計画的に生産されていなかったこともその理由です。有明海沿岸では、1950年頃から漁師や組合、自治体や学術機関などが協力し、試行錯誤しながら現在の生産体制をそろえてきた歴史があります。そして現在でも、漁場を整えたり、海苔がおいしく育つための環境を守る努力を続けています。

そもそも海苔はどのように作られるのか

春になりあたたかくなると、海苔は成長の過程で3種類の果胞子(カホウシ)と呼ばれる種を作りますが、まず海の中で一番目のタネを作り、海の中を流れて貝殻にくっつくと、枝を伸ばして貝殻の中へもぐっていきます。

有明海苔種付け

春から夏まで、貝殻の中で糸のような枝の糸状体(シジョウタイ)を伸ばしながら成長し、秋が近づくと糸状体の先に2番目のタネである殻胞子(カクホウシ)を作ります。

その殻胞子は、秋になって水温が低くなると、貝殻からいっせいに飛び出し、海水面近くにある石や岩にひっついて発芽し、成長をはじめます。秋から冬にかけてどんどん成長して大きな葉っぱのようになる。これを葉状体(ヨウジョウタイ)といい、これが一般的に食べている海苔のことです。

海苔は伸び始めるときに葉状体のさきの一部を切り離します。切り離した細胞のひとつひとつが3番目のタネである単胞子(タンホウシ)となって、この単胞子がそれぞれ最初の葉状体のすぐ近くについて成長し、同じ仲間をたくさん増やす。

こうして寒い冬のあいだ、海苔は伸びつづけ、また春になると1番目のタネである果胞子をつくり、つまり子孫を残して枯れて、その一生を終えます。

現在の海苔の生産は、こうして海苔が成長する仕組みをなぞって行われています。タネを網に付けて海に浸して生育させるのですが、11月中に3回くらい摘み採るのが秋芽網、12月に入って冷凍していた網に貼り替えてから摘むのを冷凍網(5~7回)といいます。

お茶と同じで海苔は摘んでも新しく伸びてきますが、回数を重ねるほど、硬く太くなっていきます。それで途中で網を貼り替えるわけです。秋芽も冷凍も初積みのものほどやわらかく甘いですが、柔らかさは秋芽が優り、コクのある味わいは冷凍の方が上といわれます。

有明海苔の生産方式概要

 海苔網が海の中にあるとき(満潮時)と、海の上に浮上するとき(干潮時)のくり返しがやわらかさを生みます。

有明海は遠浅で干満の差が平均で6メートルもあり、その環境を活かした支柱式(海底に差した支柱の間に海苔網を張る方式)といわれる栽培法で養殖されます。満潮時には、海苔網が海中に沈んで海の中の栄養を吸収します。
阿蘇山を水源とした筑後川をはじめ、大小100以上もの河川が流れ込む有明海は海水と淡水が混じり合い、とても豊かなものです。この豊かさが豊富な栄養源を生み、海苔に吸収されることで美味しさが凝縮されています。そして干潮になると海の上に姿を現し太陽の光を浴びて乾燥されます。日光を直接浴びることで、うま味が海苔に蓄えられます。このくり返しがとろけるようにやわらかな海苔の質を生みます。また、川から淡水が入り込むことで、海水の塩分濃度が下がり、これも柔らかさの理由となっています。

有明海苔種付け2

このように育てられた海苔は、港から近くに設置された加工場へ運ばれ、乾燥されて私たちがいつも食べている海苔の形にされて入札に出されて市場へと出荷されていきます。

海苔とご飯

ご飯のおともに海苔を食べるのは定番ですが、私どもが仕入れさせていただいている海苔問屋さんは、、ほとんど初摘みしか扱わないそうです。なぜなら本当に美味しい海苔だけをみんなに食べてほしい、有明海苔の美味しさを伝えたいということがその理由だそうです。ちなみにその海苔問屋さんと話したときに以下のような会話がありました。

高木園:お客様に、有明の初摘み海苔は、おにぎりやお醤油をつけてご飯と食べてもおいしいけど、何しろあまくとろけるように柔らかいから、何もつけないでそのまま召し上がってください、と販売時に説明しているんですよ。

問屋さん:え、海苔でごはんを食べるときに醤油をつけるんですか?

高木園:海苔に醤油は定番じゃないんですか?

問屋さん:だって、醤油をつけたら、醤油の味しかしないでしょう。有明海苔のおいしさがわからなくなっちゃうでしょう。


言われてみれば確かにそのとおりです。繊細な海苔の香りを、醤油の香りが勝ってしまう。どうしても醬油が欲しい場合は、海苔の端っこにだけ醤油をつけて食べるとよいようです。ただし、これは問屋さんが子どもの頃から有明の初摘み海苔しか食べないできたからそうなったようにも思えますね。

こんなストーリーがある発摘み海苔を食べてみたい方は以下からご注文ください。有明海の恵みと、そこに生きる方々の想いが詰まった海苔をご賞味ください。