玉露の上品な甘味を手軽に楽しみたい人へ。
「ほっこり」とは、ホッとする、リラックスするという意味の京言葉だそうで、このお茶の仕入れもと、西出旭松園さんが、このお茶の名前として「ほっこり茶」とつけてくれた由来です。
お茶には、テアニンという心とからだをリラックスさせてくれる成分が入っているので、まさにぴったりの名前と思えます。
ところで、この「ほっこり茶」の中身は、玉露と煎茶のブレンドです。玉露は、新芽が出てから、2週間ほど覆いをして、光を遮って育てます。
そうするとどうなるかというと、渋み成分であるカテキンが少なく、甘味成分であるテアニンなどのアミノ酸が多く含まれるお茶が出来上がる。
抹茶の原料となる碾茶(てんちゃ)というのも、同じようにして育てます。ですから、玉露も抹茶も渋みが極端に少なく、濃い甘みを味わえます。
ほどよい渋みを伴い、爽やかな後味の煎茶とちがい、後を引く濃い甘みは、何とも言えない上品さというか、高級感を感じさせます。
とは言っても、お茶は嗜好品なので、この玉露の特徴のある味が苦手という人もいる。また、60度くらいのぬるい湯で淹れないと、おいしさを引き出せない。お湯がぬるいとお茶の成分がお湯に溶け出すにも時間がかかり、急須にお湯が入ってから2分は待たないと。
加えて、手間暇かけて育てるので、それが値段に反映され、総じて高い。
といったわけで、特徴のある日本茶の芸術品とさえいえそうな玉露なのですけど、ファンが少なくなって生産量が減っています。いずれ消えて行ってしまうかも知れない。
それをなんとかできないものか、と考えて生まれたのがこの「ほっこり茶」です。煎茶をブレンドしている分、玉露よりすっきりした味わい。また玉露のように低温で時間をかけて淹れれば濃い甘みを、80度くらいのお湯で1分くらいで淹れたら、サッパリした甘味のお茶が楽しめます。