スペシャルティコーヒー4種の高木園オリジナルブレンドについて

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スペシャルティコーヒー4種の高木園オリジナルブレンドについて

KANADE -かなで-」という当店オリジナルのブレンドコーヒーが生まれた経緯をこちらでご紹介します。

当初は、オリジナルブレンド商品を作ろう、チャレンジしようと考えていたわけではありません。むしろいわゆるブレンドというものにあまり価値を感じていませんでした。ブレンドとは何かといえば、1+1=2ではなく3とか4になる。そんな相乗効果をねらったものだろう。それはとても大切で有効なやり方だし、コストパフォーマンスにも貢献する。しかし、ティータイムやコーヒータイムを充実してもらうという顧客への価値よりも、販売者の都合で作られたようなイメージも感じていました。

ブラジルとコロンビアとガテマラを3割ずつ、それにモカを1割加える。これはコーヒーのブレンドの黄金比とされていますが、そうやってつくるブレンドコーヒーも良いかもしれないけど、それよりもシングルオリジンのスペシャルティコーヒーのほうがおいしく感じてしまう。つまり素材が素晴らしければ、ブレンドなんかしなくたってうまいはずだろう、と考えていたのです。当店で扱っているスペシャルティコーヒーのコロンビア・サンアグスティン、パナマハートマン農園、モカ・イルガチャフェ、ブラジル吉松農場などを日常的に飲んでいて、手前味噌ながら満足感が高かったからです。

ところが或る日、取引先のブラウンチップの関根さんに、こういったスペシャルティコーヒーの豆でブレンドをつくると、びっくりするくらい美味しくなりますよ、といわれ、さっそく試したら、自身の考えが覆されました。なるほど単一の豆ではないのだから、いろんな味がします。このデリケートな酸味とそれを包む柔らかな甘味はコロンビア、全体に感じるふくよかなたっぷりした甘味はパナマ、アクセントのようにシャープな酸味はモカ、それらを落ち着かせるほどよい苦味がブラジル。ひとつひとつのコーヒーを長い間飲み続けてきたので、味と香りはある程度わかります。そして驚いたというか感動したのは、それらそれぞれのよさが邪魔をし合わず、お互いを引き立て合っているように感じられたことです。その後何度も試作試飲をして、都度スタッフにも飲んでもらい、その所感を試作に反映させてまた試作試飲することを繰り返し、最終的に現在の味に決めました。

このとき感じたのは、このスペシャルティコーヒーブレンドはまるでバイオリンやチェロやビオラなどが音色を奏で合う室内楽のようだ、ということです。ブレンドとは、こんなに豊かな世界なのだと、その可能性に目を開かれた思いでした。

商品名をKANADEにしたのは、ブレンドを構成する4つのコーヒー豆の特徴とイメージが、僕が好きなクラシックの4人の作曲家のイメージが重なりあっていたためです。簡単にそれぞれ対比させると、明朗さとやわらかさに繊細さを併せ持つコロンビアは若い頃のモーツァルト、たっぷりとしたスケールの大きさを感じさせるパナマはベートーヴェン、華やかな憂いと瀟洒な雰囲気のモカはショパン、そして少し土臭く懐の広さを感じるブラジルはドボルザーク。これら名作曲家たちの曲が奏でる音楽を耳で楽しむのと同様に、風味の4重奏をこの商品で味わっていただきたいと思います。

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また、各作曲家についてYoutubeで公開されている動画を一部共有しています。このスペシャルティコーヒーを飲みながら、コーヒータイムやティータイムにお楽しみください。

 

モーツァルト
ベートーヴェン
 
 ショパン
 
ドボルザーク