日本茶の流通ルートについて

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日本茶の流通ルートについて

静岡茶のみで行われる特殊な日本茶の流通ルート

一般的な日本茶の流通ルートは以下のようになっています。
  1. 茶畑での生産: 日本茶は茶畑での育成や収穫時期によって茶葉の種類や品質が変わります。
  2. 茶葉の収穫: 茶葉は適切な収穫時期に収穫されます。収穫方法は茶種や茶園の地域によって異なります。
  3. 茶葉の加工: 収穫された茶葉は、種類に応じて蒸したり揉んだり、乾燥させるなどさまざまな加工工程を経て製品となります。
  4. 卸売業者への販売: 生産者や加工業者は、茶葉を卸売業者や茶商に販売します。製品を市場に出して、そこで卸や茶商に販売するルートもあります。ここで茶葉は質や種類によって仕分けられます。
  5. 茶業者への供給: 卸売業者は、茶葉を小売業者や茶業者に供給します。茶業者はこれをさらに消費者へ提供します。
  6. 小売店やオンライン販売: 茶業者は、茶葉を小売店やオンラインストアを通じて消費者に提供します。ここで消費者は茶葉を購入できます。
  7. 消費者への提供: 小売店やオンラインストアから茶葉を購入した消費者は、日本茶を楽しむことができます。

また、上記は生産者>加工者>卸売業者>小売>消費者の順でご家庭などに届けられますが、生産者と加工者>小売というよりDtoCに近いルートもあります。

静岡県の茶畑

静岡茶の場合、上記の3と4の間に、「相対さん」と呼ばれる生産者と卸売り業者との仲介を担う役割をする方々がいます。生産家のお茶の見本(サンプル)を預かり、それを気に入ってくれそうな茶問屋へ届けて話をまとめます。どこどこの問屋さんはこういうタイプのお茶が好きだという好みを把握しているからできる仕事でしょう。

ちなみに静岡の茶市場でも、適正かつ公正な取引のために、「相対(あいたい)取引」といって、茶生産者と、卸販売や茶商との橋渡しとなる役割をしています。

相対さんが入るメリットは、卸売業者の好みを把握しているために、たくさんのサンプルの中から選ぶよりも、自分たちの好みを熟知している相対さんがもってきてくれるお茶は、はずれが少ないことにあります。また、茶市場でなく自分の会社事務所で、何人かでお茶を観ることができるのもありがたいそうです。いくら経験を積んでも、わずか数時間で大きな金額の仕入れを自分の鼻と目と舌だけを頼りにおこなうのは、大変なプレッシャーなので、複数人で意見を出し合いながら仕入れる茶葉を選べることも大きなメリットといえます。

このように、多くの工程でたくさんの方が関わって、商品としてお茶が消費者へ届けられています。茶市場が小さくなり、デジタル化やロボット化が進んでも、人の手を経て我々がお茶を楽しむことができるのです。