緑茶のおいしい淹れ方~3つの理由

日本茶 -

緑茶のおいしい淹れ方~3つの理由

お家でおいしく緑茶を飲むための簡単な淹れ方

緑茶を淹れるのは難しいと感じる方が少なくなく、そのせいで急須を持っていないという方もいらっしゃいます。ティーバッグや市販のペットボトル入り緑茶は便利でよいですが、少し心にゆとりが欲しいとか、スイッチをオフしたいときには、お湯を沸かしてあえて手間をかけ、丁寧に緑茶を淹れるルーティンを作っておくことをお勧めします。おいしいお茶は心を和ませる効果があるようです。

コツというほどではないのですが、3つのことを意識しながらこれから述べるようにされるとおいしくいただけます。企業さまや公民館の体験型カルチャースクール教室などから依頼をうけ、お茶教室をやるときには必ず組み込むお話です。

緑茶の淹れ方のポイント

1.まずポットから人数分の「湯飲み茶碗」にお湯を注ぎます。
まず湯飲みにお湯を注ぐことの理由は3つあります。

  • お湯を冷ます
  • 茶碗を温める
  • お湯の量を測る

3つめの「お湯の量を測る」は、意外とお茶教室で生徒さん方に聞いても出てこないですが、人数分のお湯の量を測っておくことで、一煎目からおいしくいただけます。

2.茶筒から急須にお茶の葉をいれます。
目安として3人分で6g。6gというと大さじ一杯くらい。そこへ湯呑みに入れて冷ましたお湯を加え、30秒くらい待ちます。
そうして待っている間に、ギュッと絞られていたお茶の葉がだんだん開いていき、お茶の葉に含まれるあまみ成分のアミノ酸や、渋み成分のカテキンや苦み成分のカフェインなど、いろんな成分が溶け出していきます。

3.急須から茶碗にお茶を注ぎます。
全部の茶碗で同じくらいの濃さになるように、少しずつ3回くらいに分けて注ぎます。最後の一滴まで残さず、注ぎきってください。

 お湯を冷ますのはなぜか?

お湯を冷ますのは、お茶に含まれる味成分の特徴のためです。

苦み成分のカフェインと渋み成分のカテキンは、お湯の温度に比例してどんどん溶けていく。
それに対してうまみ・あまみ成分のアミノ酸はお湯が熱くても、ぬるくても、水であってもそれほど変わらずに溶け出す。したがって、熱湯だと、苦みのカフェインと渋みのカテキンが甘みのアミノ酸よりたくさんとけだす。だから苦く渋くなる。

反対に水で緑茶を入れると、アミノ酸はちゃんととけだすのに、カフェインとカテキンはほとんど溶け出さないから甘くなります。甘み、渋み、苦みがバランスよく溶け出す温度がだいたい80℃くらいです。そのため、お湯をさますとおいしく淹れられるわけです。

緑茶の初級講座のような内容ですが、知っているのと知らないのでは大違いです。これを機においしく緑茶を飲んでいただければ嬉しく思います。