紅茶の淹れ方

淹れ方のちょっとしたコツで美味しくなる

 紅茶を淹れるときにたいせつなことは、何よりも汲みたて沸かし立ての熱湯を使う。このことが一番大事です。どうして汲みたてかというと、紅茶の香りを出すために酸素が必要だから。くみ置きした水やポット(魔法瓶)のお湯では酸素が少なくなっている。それとお湯が熱くないと、紅茶の成分が溶け出さない。それで酸素を含んだ、蛇口から汲んだばかりの水を、十円玉くらいの泡ができるまで沸騰させたのを紅茶の葉っぱの入ったポットへ勢いよく注ぎます。

 紅茶ポットやカップは烏龍茶の時と同様、前もってあたためておきます。ポットが冷たいとせっかく熱湯を注いでもその熱をこのポットが吸収してしまうから。ポットに入れる葉の量は、緑茶の場合とおなじように、葉が細かければ少なくて良いし、反対に粉のない大きな葉っぱならたくさん使います。で、セイロンブレンドのBOPタイプなら一人前2gくらい。これより大きなダージリンなんかのOP(オレンジペコー)で3g、反対にBOPより細かいBBOPファニングスなら1.5gといったところ。今回は高木園で取り扱っている、セイロンブレンドの「ラブリーアフタヌーン」を使用してお話しします。

 待ち時間(蒸らし時間ともいう)は、OPなら5分、BOPなら3分と、こまかくなるほど溶け出すのも速いので短くなります。でも、こういう何グラムで何分というのもそう厳密に考えて砂時計ではかったりするよりも、みなさんがお茶を淹れるときに、お湯の温度やグラム数をいちいち計らないように、勘でいいと思う。そして濃すぎたらお湯を足してもよいし、ミルクで割っても良いのです。そうして失敗しながらちょうどよい感覚をからだで覚えていくことが一番だと思います。

 お湯を注いだらポットにティーコージ(お茶帽子)をかぶせます。こうすると2時間くらい冷めない。ティーコージがなかったらタオルを巻いても結構。保温できればいいんだから。

 さて、3分経過したら、茶漉しを使って紅茶を注いでいきます。香りがでてきますが、メンソールのような香りがクオリティシーズンといっていちばん品質が良いときのウバの香りです。インドのダージリン、中国のキーマンとともに世界三大紅茶といわれています。

 それから、飲み口もソフトで渋味が少ないでしょう。これは同じセイロンティのディンブラの持ち味です。このラブリーアフタヌーンという紅茶は、香り高いウバとまろやかで女性的なディンブラのブレンド。ブレンドというのは1+1=2ではなくて、お互いのいいとこを伸ばし合い、良くないところを補い合うものです。ウバは香りが素晴らしいけどとても渋い。ディンブラはやらわかい味が特徴だけど、香りもおとなしい。それをブレンドしたら、香りもあってまろやかなお茶が出来ました。

 ところでこうしてお話ししている間にも、ポットの中のお茶はどんどん成分を出して濃くなっています。水色も濃い茶色に変わっている。この濃い紅茶にミルクを加えて飲むのがミルクティ(煮出してつくるチャイに対してイングリッシュミルクティともいわれる)。ミルクは珈琲用のクリームではなく、牛乳です。ミルクジャグなどの入れ物をお湯で温めたものに、牛乳を入れて人肌くらいにしておくのを使います。

 いちどにたくさん淹れた紅茶を、最初は、ストレートで。濃くなった二杯目をミルクティとしてたのしむ。これはやってみるとなかなかおつなもので、わたしも毎朝楽しんでいます。

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