鹿児島で生産されるゆたかみどりという品種について
ゆたかみどり種の歴史と特徴、おいしくなる淹れ方
ゆたかみどりの歴史
近年「おいしい」「飲みやすい」などとお茶のヘビーユーザーからたまに飲むライトユーザーまで、広く支持されているゆたかみどりという品種は、1966年に生まれた意外と歴史ある品種です。現在では鹿児島で生産されたものが知られていますが、生まれは静岡県茶葉試験場でした。
暖かい気候でしか作れないため、鹿児島で栽培されるようになり、地場の茶農家さんが創意工夫を凝らしておいしい品種として市場に受け入れられてきたという経緯があります。ちなみに、ゆたかみどりと名付けたのも鹿児島県とのことです。
ゆたかみどりの特徴と淹れ方
以前紹介したやぶきた種と比べて、香りが強めで、味わいにもインパクトがあります。もともと紅茶向けの品種だったそうですが、栽培工程で特徴的なことが2点あります。
1.収穫前の茶葉に覆いをかぶせる(被覆)
2.収穫後の最初の工程である「蒸し」を長くする
新芽が伸びたら玉露のように被覆をすることで甘みを閉じ込め、青々とした水色のお茶として仕上げられています。また、蒸し時間が長いことで青みのある濃厚な甘みとコクが出ます。緑茶を好まない方が苦手な渋みや苦みが控えめです。
ゆたかみどりの淹れ方は、静岡茶や宇治茶よりも簡単で、あまり細かいことを気にしなくてもおいしくなります。淹れ方が簡単なのにおいしいことも、人気の秘密です。ゆたかみどり種を淹れるときに気を配るべきことは、
1.水道水を使う(臭みを飛ばすために十分に沸騰させる)
2.人数分のカップや湯呑みに、1.で沸かしたお湯を注ぎ、必要な湯量を測ると同時にお湯を冷ます
3.2.でお湯を冷ましている間に、急須に茶葉を多めに入れる(湯呑み一杯分で2g=小さじ1杯より少し多めに。)
4.急須にお湯を注いで30秒ほど待つ
この手順でまず淹れてみて、お湯を冷ます時間や茶葉の量、お湯を入れた後の待ち時間などをアレンジし、自分のベストを見つけてください。このアレンジ作業も割と楽しいのではないかと思います。
鹿児島茶を味わう
最後に当店のゆたかみどり種の商品をご紹介させていただきます。、商品名「ゆたか翠」の上級品が「まどか」。成熟しきっていない幼さの残る若芽摘みで、柔らかでおだやかな味わいです。
これを機会に、ゆたかみどりを味わってみてください。